2011年2月23日水曜日

パワーリーグの第一印象

先週、フットボール仲間の紹介で日本人少年チームの見学をしてきた。
少年チームの練習については、ブログに書き込む許可をいただいていなかったので今回はその施設と利用状況について写真と共に簡単に説明させていただく。

まず、パワーリーグと聞き慣れない単語だったが、後日ネットで調べてみると次のような説明があった。


5-a-side(ファイブ・ア・サイド)は、前後半25分ずつで行われる5vs5のゲームです。ピッチの広さはフットサルコートと同じくらい。ゴールの大きさは、高さがフットサルの6割くらい、横幅は、フットサルの1.5倍程度です。周囲には壁があり、ボールが外に出てゲームが切れる、ということはありません。フィジカルコンタクトがOK、胸より高くボールを上げてはいけない、ペナルティエリア(フットサルのゴールエリアと同じくらい の広さ)にフィールドプレーヤーは入ってはいけない、というルールがあり、まさに英国式フットサルです。



http://www.powerleague.co.uk/home.html
またパワーリーグのサイトを調べてみると、ロンドンにおいては郊外を中心に約10店鋪ほど展開しているようだ。サイトには、パーティ場としての貸し出し、ドッグランドを設置、素人同士での選手評価コミュニティなどなど様々なアイディアがすでに実行されているようだ。

子供や孫の練習をパブで過ごしながら待っている人たち。子供に宿題を教える人、本を読んでる人、ママさん同士で噂話をしているなどなど。ここに書いていて思ったけれど、ママさん達(というか女性)は、息子、友人、彼氏、愛人、旦那が狂ったようにはまっているフットボールをどのように捉えているのかという研究は今まで聞いたことないな。
残念ながら、やはり盗難が多いらしい。初めてサッカーをしにきて、自分の荷物が全部なくなっていたら、なかなか忘れることはできないだろう。僕がトイレにいった時も、ユダヤ系の少年がここに置いてあったコートがなくなったとお母さんを引き連れて泣いていた。

『審判への暴言は退場です』。更衣室に貼ってあったけれど、こういったものははたしてどれくらいの効果があるのだろうか?街の交通安全川柳みたいな匂いもする。一番効果があるのは大人が審判へのリスペクトし、暴言をピッチ上とスタンドで子供に見せないことだろう。あんたは理想主義だと罵られることは分かっている。じゃ、他にあるのか?

この日は、CLのアーセナルvsバルセロナ。
国も宗教も違い(もう一つイギリスでは社会的階級が存在するのだがこの時点では分からなかった)、自分のテーブル以外はほとんど知らない人という状況だ。運動後にビールを胃に注ぎながら、一緒に歓喜を共有できる場所があるのは非常に豊かだなと感じた。

頭の上にちょこっと乗っけているのは、ユダヤ教の方々が身につけている帽子はキッパというらしい。プレー中は、ピンで止めているのですか?と尋ねてみたかったが、試合後のセスクのインタビューを真剣に聞いていたので帰宅した。

2011年2月12日土曜日

口説くのが一番上手い奴



この男(仮にYとしよう)と知り合ってからそんなに時は経っていないけれど、僕が25年間見てきた男の中でYは一番女性を口説くのが上手い。

【空気を読む】という言葉は英語圏にはないのだけれど、Yは確実にその場の空気を感じ取りながら女の子を落としている。(ように見える)

Yの親友でTという男がいるのだけれど、これまでに幾度なく気になっている女の子が自分の目の前を素通りしていき、Yの前で立ち止まりハグをし、小さな声で語り合い、電話番号を交換している姿を見てきたそうだ。あまりにもTが哀れなので、周りの友人はコンビを解消したほうがいいんじゃないかと言っている。

さて男性陣はこの男がいったいどうやって口説いているのか気になるところだろうが、僕は実際に横にいて話を逐一聞いているわけではないし、毎回同じような展開をしているわけではないので詳細は分からない。たいへん申し訳ない。

今日は何を書きたかったというと、Yのレスポンス力(表情を含めた)の素晴らしさである。
外人と喋った経験がある人は分かるだろうけれど、自分の発音した言葉が相手に届かないことはいくらでもある。声が小さかったり、音の発し方が悪かったり、意味が曖昧だったりとすると、人はいろんな方法で聞き返すことになる。

送信者から届けられるメッセージの意味が伝わなかったとき、受信者の表情は一瞬変わる。この表情にプラスして、その後の聞き返し方に上の写真の男Yと友人Tに圧倒的な差がある。(んじゃないかと思う)

例えば、日本人とイギリス人の交流パーティの場面で、Yはあるグループと爆笑している間に、Tは発音の授業が始めてしまっているなんてシーンは象徴的だと思った。

Yに対して嫉妬とか軽蔑の気持ちを抱いているわけではない。むしろ、コミュニケーションの場面での身体性に興味が注がれている。相手と気持ちよく楽しく喋るというのは、中身はもちろん大切であるけれど、相手、場所、話の内容を汲み取りながら、それを表情で体現していくことだというのは非常に面白い。


2011年2月11日金曜日

ワンピース 翌日には外国語での字幕付動画がでていること


日本の文化で海外の日常にもっとも浸透しているのは、マンガもしくはアニメであることは誰の目にも明らかである。

ここ数ヶ月、僕はそれらがネット上にアップロードされる圧倒的なスピードに非常に驚かされている。例えば、日曜朝に放送されているワンピースが一日も掛からずに英語やスペイン語などに翻訳されて字幕付きでYOUTUBEに流れ始めている。ニュース並みのスピードを持つコンテンツは、他にあるのだろうか?


先日、友人のイギリス人にその話をしたところ、英語圏ではアニメ翻訳集団が存在しているらしい。彼らは誰かから何かを依頼するわけではなく数人でグループを作り、趣味(無給)でその作業をやり続けているようだ。権利の問題や配信方法については、僕はまったくの無知なのでここでその問題を指摘することはできない。そうかと言って、彼らの活動を好んで応援するつもりもないが。


ここに書きたいのは、翻訳グループが圧倒的なスピードと量を配信(合法であれ違法であれ)しているコンテンツを通して、それらを享受している無数の人々が背後にいるということだ。
そしてここがポイントなのだけれども、視聴者たちはそのアニメやマンガを視聴しはじめの頃は、それを生み出している国にあまり興味がない。実際に友人のイタリア人はワンピースの作者が日本人だと知らなかった。ワンピースを作り出しているのが日本だと知った時に、はじめて視聴者は日本という存在に好感もしくは興味を抱きはじめるのだ。日本が好きだから、ワンピースを見始めるわけではない。

日本と言えば、スシとゲイシャとサムライしか知らないという時代はようやく終わりつつある。これは外国人とコミュニケーションの入り口としては、非常に喜ばしいと思う。マンガ家とアニメ会社が潰れてしまっては困るけれど、権利と戦うことよりも日本の入り口を広げることに議論の時間をさいて欲しい。


NHKさん、まずはこんな日本語サイトを作ってみてはいかがでしょうか?
http://www.bbc.co.uk/worldservice/learningenglish/